秋知 令吉(あきち れいきち)さんとの交流ログ
「綺麗な空……そうだ、写真を──」
夕陽に染まる空を収めようと、辿々しい手つきでスマホを操作する。 画角を決めればシャッターボタンをタップした。
響いた録画開始の効果音。いい写真が撮れただろうと満足げな面持ちでスマホを仕舞った。
「お。いー写真撮れた?」
それを少し離れた場所で見ていたらしい。 振り返れば少年がひとり、佇んでいる。笑顔で話しかけては手を振って。
声をかけられれば辺りを見渡し、相手が自分だと気がつくとあなたの側へとやってきた。
「こんばんは。写真の出来は──どこで確認すればいいのか分からず……」
俯き気味にスマホを取り出すと、あなたに画面が見えるように傾ける。
液晶の割れが目立つスマホ。 カメラ機能が起動した、録画中の表示が映る画面が煌々と光を放っている。
「よっす。なになに、見せてくれんの?」
ラッキー、なんて両目を細めて笑い。 傾けてもらったスマホ、その画面を覗きこむ。
「えーっとね、これ、動画モードになってんのかな。指で画面をすべらせるとカメラに戻ったりすんだけど…ちょっとさわってもい?」
よければ、の申し出程度。小首をかしげて尋ね。
「あ、ビデオですね。確かそんな機能があると聞きました。どうぞ、表面が割れていて危険なので気をつけてください」